2014年8月2日土曜日

【読書】嫌われる勇気

推薦されたアドラー心理学の本『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』。勇気と最後につければ、大抵の言葉はポジティヴに置換できるという日本語の特性を活かした本のタイトル。敢えて嫌われることで何か良いことがありそうな気がする。この本自体は良く書店で紹介されているので知っていて、手に取ってみたら中身は対話形式で何かが自分に合わなくて買うことはなかった。でも、人に薦められたので読んでみた。

世界はどこまでもシンプルだという哲人と納得いかずに論破しようとする青年の対話形式でアドラー心理学をまとめられている。
哲人 仮病ではありません。ご友人がそこで感じている不安や恐怖は本物です。場合によっては割れるような頭痛に苦しめられたり、猛烈な腹痛に襲われることもあるでしょう。しかし、それらの症状もまた、「外に出ない」という目的を達成するためにつくり出されたものなのです。
青年 ありえません! そんな議論はオカルトです!
哲人 違います。これは「原因論」と「目的論」の違いです。
人生に革命が起きる100の言葉』にもあった話題。トラウマに関して議論する一節なのだが、青年の切り返しがピンクの髪を彷彿とさせていて中々良い。誰もそんなとこ見てやしねーだろうが…。

哲人 すなわち、「自由とは、他者から嫌われることである」と。
青年 な、なんですって!?
タイトルの核心に迫る一節。嫌われないように立ち回るのは不自由な生き方なので、他者から嫌われることを怖れずに自分の生き方を貫く。それが自由、と。今まで他人に嫌われるかを気にしてこなかった私自身は割と自由な生き方をしてこれたのか。今後は意識的に課題の分離をしていけそうな気がする。
それにしても、青年の相槌はいちいち可愛らしい。

哲人 もうあなたもお気づきですよね?すなわち「幸福とは、貢献感である」。それが幸福の定義です。
青年 し、しかし、それは……!
青年ちゃんはどこまでもオーバーリアクションで萌える。だが、男だ。貢献感を持てれば、他者からの承認はいらない。なるほど、それなら誰でも幸福になれる。自分自身で貢献感を持てば良いだけなのだから、きっと簡単。

読まず嫌いしていたけれど、中々の良書であったと思う。時々読み返してみたい本でした。