一冊目はライフネット生命のCEOの出口さんの『部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない (ノンフィクション単行本)』。
どう任せるといいか、任せたあとどうするかは良くまとまった教科書だと思う。
「期限」と「優先順位」や、仕事の「背景」と「要求レベル」を伝えるなどは、
たった1%のリーダーのコツにもあったので目新しさはなかった。
上司から「ほうれんそう」
報告、連絡、相談は上司が部下に行うものという考えは、ちょっと面白い。部下をよく観察し、タイミングを見計らって声をかける。部下に対する「ほうれんそう」を習慣にすれば、部下の状況が把握しやすくなります。とのこと。これからは、部下が報告してこないなら、自らタイミングをみて声をかけてみようと思う。
きっとそれがコミュニケーションとりやすい空気にもつながっていくのかなぁと。
60点なら合格点
任せたあとの結果として、部下の仕事が60点なら合格点を与えなければいけないとのこと。自分なら80点とれるからといって、任せた以上は60点で合格とする。これはけっこう難しい。
実際にあったが、自分が簡単だと思って任せた仕事を複雑に考えてメンテしにくいコードを書いても、
動きが間違っていなければ、合格点を与えるのか?挙動が正しいだけでは60点ではない??
結論としては、60点に達していないと、やり直してもらったのだけれど。。
この教科書的にいうなら、上述の上司からほうれんそうを行わなかったことが問題なのだろう。
途中でアウトプットとして設計書、フローチャートを確認する必要があったかな。
コミュニケーションした感じでは、自分の考えたような実装をする印象を受けたし。
60点の基準を明確に定義してやる必要があるな。でも、言語化はけっこう難しい。。
部下の短所はほうっておく
長所を伸ばしていけってこととして書かれているので、概ね同意。私もメンバーには誰にも負けない得意分野をもてと言っているし。
別の得意分野をもつメンバーで構成される方がチームとしてワークする。
お互いを利用して一人ではできないことを達成できるようになる。
極論すれば、苦手は、克服しない。短所をほうっておくってのはやっぱり同意できない。
苦手なものは、誰かに補ってもらう。誰かに教えてもらう。誰かに手伝ってもらう。チームは、そのためにあるのです。
短所にもよるのだろうけれど、テストが甘いメンバーに対して、
テストは苦手だから、別のメンバーにやってもらうなんてのはおかしい。
分野に関しては苦手は放っておいていいけど、
基礎スキルは苦手のままではダメじゃないのか?
苦手を気付かせて、自ら克服するように動かせられるといいのかな。
副題のプレーイングマネージャーになってはいけないってのは、
プレーヤーとしての能力とマネージャーとしての能力は全く違う。
人間の能力はそれほど高くないから両立は難しいという論理か。
たしかに、エンジニアとしてのスキルアップのための勉強もしつつ、
こうしたリーダーとしての勉強や体験を両立するのは難しい。
これからは、60点で満足を意識して習慣にしていこうと思う。
周りや上司にも任せ方の教科書読んでもらいたい。そんな本でした。
ただ、よく分からない例えもあったのでした。
自由経済市場をサッカーにたとえてみましょう。サッカーは、「11人対11人」で行うスポーツです。では、競技場のサイズが同じまま、プレーヤーの人数が増えて「50人対50人」になったとしたら?競技場の中には「100人」もの敵味方がひしめき合って、パスは通らない。おそらく、「プロレス」のような殴り合いになるでしょう。グローバル化して海外から新しいプレーヤーが参入してきているので、
今までのルールは通用しないと言いたいはずだが、あんまり例えが上手いとは思えない。
「ゲームのルール」が変わると言ってるけれど、変わっているのは「ゲーム」じゃないのか?
うーーん。。小学生55人相手に、香川と清武が対決してたのはすごかったな。どうでもいいけど。