仕事をする上でコミュニケーションは必須。コミュニケーションをする上で、自分のメッセージをどう伝えれば相手に伝わるか、そんな技術を身に付けるのにオススメの本。読み直してみてもやっぱり良い本。読み直しても気づきがあるってことは実践できてない部分でもあるのだけれど。
メッセージ
メッセージとは、次の3つの要件を満たしているものだ。まず、そのコミュニケーションにおいて答えるべき課題(テーマ)が明快であること。第2に、その課題やテーマに対して必要な要素を満たした答えがあること。そして第3に、そのコミュニケーションの後に、相手にどのように反応してもらいたいのか、つまり相手に期待する反応が明らかであること。この3つが揃ってメッセージ。周りにメッセージをまとめられない人が多い。恐らく私も完璧ではないだろう。
特に「相手に期待する反応」をちゃんと伝えられていないケースが多い。"相談"といって話しかけ、ちゃっかり"依頼"してしまうみたいな。「課題が明快でない」というのはけっこう疲れる。話がズレたり、飛んだりと話題のジェットコースター。思考が全く追いつかずに置いてけぼりくらって、あげく「聞いてます?」って。
残念ながら、本書には相手がロジカル・シンキングできない場合の対処法は載っていない。そんな人は反面教師にして、自身のロジカル・シンキングを磨く方が良い。反面教師にするよりも無視できるなら、関わらない方が良い。
MECE
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとったもので、「ある事柄を重なりなく、しかも漏れのない部分の集合体として捉えること」を意味する。ちょうど、全体集合を漏れも重なりもない部分集合に分けて考える、集合の概念と言えばわかりやすいだろう。今までエンジニアをやってきて、MECEという言葉に出会うことはなかった。経営学、経営コンサルティングなどの領域でよく使われる言葉らしい。物事をどういった切り口で分けて考えるかということで、その分ける切り口としては4C(Customer, Competitor, Company, Channel)や4P(Product, Price, Place, Promotion)などのフレームワークがある。エンジニアにとっても、情報を整理して考えるのにMECEは有効か。
So What?/Why So?
So What?とは、手持ちの情報や材料の中から「結局どういうことなのか?」を抽出する作業だ。言い換えれば、「よって」「したがって」「このように」の前に述べた情報やネタの中から、自分が答えるべき課題に照らしたときに言える重要なエキスを抽出する作業のことだ。これは本当に大切。話が飛ぶ人には是非、知ってもらいたい。自分の頭の中では、So What?/Why So?が成り立っているのかもしれないけれど、1つ2つのSo What?が飛んでいるのが多い。Why So?がつながらないけど、その人の中ではつながってる。ストレスが溜まるので、こういう人ともあまり関わりたくない。
…中略…
「なぜそのようなことが言えるのか?」「具体的にはどういうことか?」と検証・確認することがWhy So?である。
本の後半は、MECEとSo What?/Why So?を組み合わせた論理パターンのトレーニングが待っているが、難しいのでまだまだ身に付いていない。
良い本なので、みんなにロジカルシンキングを身に付けてもらいたい。全くできていない相手にも是非読んで欲しかったりするのだけれど、そういう人ほど読んでくれない。そんな人とも自分より優れた点を探しながら付き合って行くのがメンタリズム。