前書きにもある通り、この本は著者がドラッカーのマネジメントを誰にでも理解できるように平易にまとめた入門書。ドラッカーの本を読んだことないので、マネジメントが良くまとまっているのかは分からないけれど、書いてある内容は理解しやすかった。目次は下記の通り。
第1章 なぜ、ドラッカーのマネジメントが仕事に必要なのか
第2章 仕事で成果をあげるための基本ルール
第3章 リーダーシップで成果をあげる鉄則
第4章 経営戦略を実行して最大成果をあげるために必要なこと
第5章 マーケティングとイノベーションの実践ルール
第6章 マネジメントの基本を押さえて"未来"を作り出そう
マネジメント
マネジメントは「成果をあげるために行動すること」という意味でドラッカーは使っているとのこと。まず、この考えが私の思っているものとはだいぶ違っていたので、ちょっとした気付きを与えられた。個人的には、マネジメント→マネージャー→管理者とかいうイメージでマネジメントは管理することかと思っていた。管理するのは何のため?って考えれば、成果をあげるためなので、管理することもドラッカーのマネジメントの意味のひとつには入るのだろうが、もっと広い意味を持っていた。成果をあげるためにはどうすれば良いか?その必要条件がインテグリティ(=「真剣かつ誠実な態度」)とのこと。成果をあげる5つの習慣
1. 時間管理どれも重要なのは納得できる。時間の管理については、最近読んだ『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』も参考になる。貢献に焦点をあてることは、全体に目を向けること。自分自身に焦点をあてると、成果の大きさに限りがある。全体の成果に目を向けた上で、自分の貢献について責任を果たす。好きなことではなく、強みを生かす。抜きん出た強みを特に「卓越性」とドラッカーは呼んでいるとのこと。集中することとは、優先順位、劣後順位を決めること。これも最近読んだ『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』が参考になりそう。
2. 貢献に焦点をあてる
3. 強みを生かす
4. 集中する
5. 意思決定をする
リーダーシップ
ドラッカー曰く、リーダーシップは「結果に責任を持って行動すること」であるとのこと。人を惹きつける魅力やカリスマ性などとは無関係で、効果的なリーダーシップの基礎は、組織の使命を考え抜き、目に見える形で明確に定義し、確立すること。これは私自身がリーダーになって、良く考えていることでもある。組織のミッションが不明確だと、メンバーもバラバラでチームとしての力が発散してしまうような印象を持っている。ミッションを考え抜き、形にする。これが自分のまずやらないといけない仕事か。そのミッションを基に、メンバーの強みを生かす役割分担。そしてメンバー自身が卓越性を追求できるように仕向ける。言葉で言うのは簡単だけれど、実践は難しい。あげるべき成果に向けた貢献を中心にコミュニケーションをとっていく。ドラッカーのマネジメントを理解できたかはわからないが、中々の良書ではあったと思う。次はドラッカーが書いた本を読んでみようかな。