この本を読むまではアドラーを知らなかったが、フロイト、ユングに並び称される心理学者らしい。フロイトもユングも名前を聴いたことはあるかな、くらいの理解しかない。心理学には正直興味などなかったが、アドラー心理学は意外と面白かった。多分、革命は起きなかったけれど。
contents内容は上記の通りで、全部で100の言葉と著者の解説が載っている。気になったのを幾つかピックアップ。
すべてあなたが決めたこと ──自己決定性について
そのままの自分を認めよ ──劣等感について
感情には隠された目的がある ──感情について
性格は今この瞬間に変えられる ──ライフスタイルについて
あらゆる悩みは対人関係に行き着く ──ライフタスクについて
家族こそが世界である ──家族構成について
叱ってはいけない、ほめてもいけない ──教育について
幸せになる唯一の方法は他者への貢献 ──共同体感覚について
困難を克服する勇気を持て ──勇気について
他人の課題を背負ってはいけない ──課題の分離について
不安だから、外出できないのではない。うーーん。これは結構厳しい。私自身も会社に行くのが辛い、胸が痛くて呼吸が苦しいって状態になったことはあるけれど、あれも自分で作り出していたのか。実際に対人関係が悪くなり「会社に行きたくない」というのはあったし、その目的がその症状を作っていたというのがアドラーの考える「目的論」。
外出したくないから、不安を作り出しているのだ。
「外出しない」という目的が先にあるのだ。
まぁ、そんな症状にも負けずに会社に行くことを選択していたので、会社に行きたくないという目的は達成できなかった。目的のために作り出した症状なのに利用しないで目的も達成できてないのは、アドラー的に言うとどう説明されるのだろう。自分自身で生み出した敵を倒した俺かっけーでいいか。
ガミガミと叱られ続けた者が決めるのは自分の意志。これも厳しい。ただし、性格(=ライフスタイル)は自分で選ぶことができるので、暗い性格がイヤならやめればいい。ライフスタイルを変えれば良いだけのこと。「変えられない」のではなく、「変えたくない」という目的があって、変えられていないだけ。変えたくないのは変化への恐怖とか色々あるだろうけれど、とにかく自分で変えないことを選んでいる。
暗い性格になるとは限らない。
親の考えを受け容れるか、親を半面教師にするかは、
「自分の意志」で決めるのだから。
人は「貢献感」を感じこれはすぐに実践できそう。周囲の人、部下に感謝の気持ちを伝える。褒めるのではなく私の感謝の気持ちをただ伝える。
「自分に価値がある」と思える時にだけ
勇気を持つことができる。
陰口を言われても、嫌われても、これが100の最後の言葉。
あなたが気にすることはない。
「相手があなたをどう感じるか」は
相手の課題なのだから。
当たり前のことだけれど、相手の感情はコントロールはできない。そんなことを気にしてもしょうがない。好かれるために何かするよりも自分が正しいと思うことを続ける方が良い。「課題の分離」をして相手の課題には踏み込まないようにする。
対人関係が悪くなったときも、相手が何を考えているのかとか、どうすれば良くなるかとか、無駄なことを考えてしまったものだ。そんなことより自分の仕事を頑張るべきだった。過去は変えられないので、これからもっと頑張るか。