勧められて読んだのだけれど、なかなか良い本だった。
エンジニアと主体性とか考えていたこともあり、とても参考になった。
オズの魔法使いになぞらえて説明してるが、私はオズの魔法使いの話は良く知らない。
知らなくても特に問題なく読める。知っていればさらに面白いのかも。
アカウンタビリティ
本書で私たちが提唱するアカウンタビリティ(accountability)とは、主体的に自ら進んで仕事や事業の責任を引き受けていくという意識だ。先日も考えてみたが、エンジニアとしては事業の責任までは引き受けなくて良いのではないか。
どう作るかという設計と、創ったプロタクトへの責任は常に引き受けなければいけない。
この考えは個人の責任としては、間違ってはいないのだけれど、
ジョイント・アカウンタビリティ(責任の共有)という考え方だと、
組織としての目標達成も個人の責任の一部と各自が受け止めるようにしたほうが
会社全体の成功につながり、社員一人ひとりが責任を感じるようになって良いらしい。
でも、やっぱり数値達成の施策を練る部分は専門家がやるべきだと今でも思う。
自分の業務を狭く固定しないで、視野を広げて自分にできることはないか?
という姿勢で業務に臨むってくらいにジョイント・アカウンタビリティを捉えておく。
一本のライン
成功と失敗、優良企業と凡庸な企業を分けるのは、一本の細いライン(線)である。そのラインの下には、言い訳、他人に対する非難、混乱、あきらめの態度などが並び、ラインの上には、現実認識、当事者意識、コミットメント、問題解決、断固たる行動などが並ぶ。この本で良く使用される表現のライン上とライン下の説明。
<ライン下>にいるのは、過去の努力が台無しになった理由をひたすら弁解しようとする人たちだ。一方、<ライン上>にいるのは、意欲を持って努力し続ける人たちだ。
ライン下に落ちると被害者意識の悪循環に陥ってしまう。
被害者だと思って、自分の責任に気づかないふりして言い訳をする。
悪循環から抜け出すにはライン下にいることにまずは気づかなければいけない。
ライン上に行くには、現実を見つめ、当事者意識を持ち、解決策を見出し、行動に移す。
自分も何か上手くいかないことがあると、文句や愚痴を言っている。
何かを変えたいことや解決したい問題が上手くいかないから愚痴になっている。
愚痴を言ってるのも気分転換には必要かもしれないが、気分転換できたのなら、
ライン上に行くための4つのステップをふんでいかないといけない。
第3部には組織全体がアカウンタビリティを身につけるための話もある。
リーダーとして自分にできることは、
ライン下にいるメンバーに気づき、ライン上に導く。
ライン上にいるメンバーの姿勢や行動に気づき、評価する。
自身がライン上にいて、良い見本となる。
といったあたりか。
この本は、ライン下という概念を与えてくれたことが良かった点。
ライン下に落ちたときには、また読みたい本である。