2013年10月6日日曜日

【読書】トヨタの育て方

今回は特に勧められたわけではないが、『トヨタの育て方』を読んでみた。
リーダーとしてメンバーを育成しろと言われることも多くなってきたため。

ものづくりは人づくり

効率的にモノをつくり、生産性を最大限に高めるには、自分で考え、自律的に動ける社員を育てることが不可欠だという考え方が浸透しています。
だから、トヨタの上司は、効率や成果を追求する一方で、部下を育てることにも手を抜きません。
むしろ、部下を育てることが上司の成果につながり、会社の売上増につながると考えているのです。
これは、はじめにからの一節。ものをつくるのは人なんだから、人をしっかりと育てようという考え。
社員を育てることが文化として継承されているのがトヨタの強さの一つ。

エンジニアとして、部下を育てろと言われての悩みとしては、育てるって何すりゃいいの?
「エンジニアの成長=技術力をあげる」なのかもしれないけど、そこは正直なところ家で勝手にやってほしい。
業務上のコードレビューなどで気づきを与えることはできても、スキルアップは個人の意志でやるべき。
新卒なら話は別だろうけれど、中途で勉強会開いてくださいって受身な姿勢では技術も身につかない。

上記引用の文章読んで『自分で考え、自律的に動ける社員』を育てればいいのかと少し納得。
たしかにメンバーにも『言われたことはやります』的な指示待ち傾向強いのもいるので。

真のリーダー

トヨタでは真のリーダーは、いわゆる「仕事のできる人」ではありません。仕事のできるリーダーは、答えを出したり、自分で成果を出すことが得意かもしれません。
しかし、トヨタで真のリーダーとして評価されるのは、部下を伸ばすことができる人です。
部下を伸ばすことを評価されるのは素晴らしい。同時に、それどうやって評価するの?という疑問も。
評価基準に「人望」という項目があって、メンバーの信頼感・活力で評価しているらしい。

メンバーに信頼されていて、メンバーが活き活きと仕事をしている。
そんなチームのリーダーが真のリーダーといったところか。

真因

問題が起きている原因ばかり探して解決しても、また同じ問題が発生してしまう。本当の意味で問題を解決するには、真因を探し出さなければいけない。
システムに問題が起きたときの応急処置(原因)と再発防止(真因)の関係と同じか。
この真因をみつけるプロセスが部下を育てることにつながるとのこと。
ツールとして「なぜなぜ5回」が紹介されているが、どこかで聞いたことあるので一般的なツールかな。

指示待ちの部下

少し厳しい言い方ですが、主体性をもって仕事に取り組まない部下(=指示待ち人間)は育たないという危機感のあらわれです。上司がいなくても、自分で答えを出せる部下を育てるには、部下が自らの問題としてとらえ、考えなければいけません。
上述したが、私のメンバーにもこのタイプの人間がいる。割といる。
そんな人には、答えを教えずに、目的を教えればいいらしい。

やってはいるんだけど、上手くいかない。「どうすればいいですか」「仕様を決めてください」などなど。
「それを考えるのがあなたの仕事です」ということを言っても、わかってもらえない。
まだまだ私自身の未熟さから上手く伝えられていないのだろう。
7つの習慣にもあったインサイド・アウト。人のせいにしていてもしょうがないので、まずは自分のコミュ障から直す。

求心力リーダーと遠心力リーダー

ひとつは「求心力リーダー」。カリスマなど一部の強力なリーダーシップをもった人で、組織の中心に陣取り、ぐいぐいと人を引き寄せて動かしていきます。

もうひとつは「遠心力リーダー」。メンバー全体を外から見て、トップから現場リーダーへ、現場リーダーから一般社員へとリーダーシップを波及させます。
人を育てるのは遠心力リーダーの方。オレオレなリーダーでは部下が育たないと。
人も少なかったフラットなシステムの現場で人を動かしていた上司はどちらかと言えば求心力リーダーか。



人材を育成していくのなら、会社全体として制度・文化をしっかり創りあげないとダメなのかな。
私は人事でもないし制度作りはしないけどさ。
評価されるされないは置いておいて、自分で考える部下を育てていかなければいけないと認識できた。
認識していなくてもやってはいたけれど。